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TIDEPOOL OCEAN ACADEMY 「せかい」水曜日

「終戦記念日」って、知ってる?

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「終戦記念日」って、知ってる?

こんにちは(^^)/
毎月第三水曜日の「せかい」クラス講師、はらみづほです。

終戦記念日の翌日に開かれたこの日のクラスは、「終戦記念日って知ってる?」という問いかけからスタートしました。

「終戦記念日、って、知ってる?」

「知ってるー!戦争が終わった日でしょ?」

「うん、そうだね。第二次世界大戦が終わった日です。どことどこが戦争してたの?」

「日本とアメリカ?」

「うん、でも日本とアメリカだけが戦ったわけじゃありません。日本、ドイツ、イタリアのグループと、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア(当時のソビエト連邦)、中国のグループとが約6年間戦っていた戦争が、第二次世界大戦です。

そして、今から78年前の8月にアメリカが日本の広島と長崎に原子爆弾を落とし、放射能の毒でたくさんの命が亡くなったり傷ついたり病氣になったり、大変な状態になった
ことがトドメになって日本軍が負け、天皇陛下がラジオ放送で戦争が終わったことを発表したのが、1945年の8月15日だったんです」

今日は小学1年生と2年生だけだったので、学校ではまだ習っていない情報だったのか、みんなちょっとビックリしたような顔をしています。

「今ロシアとウクライナが戦争してることをみんなも知ってると思うけど、昔は日本も戦争をしていたんだね。じゃあさ、戦争っていったい何?戦争するって、どういうこと?」

「国と国が戦うことでしょ!」

「そうだね。じゃあ、国って何?国には何があるの?」

「土地…?」
「人間がいる!」
「木がある!」
「動物がいる!」
「学校がある!」
「家がある!」
「デパートがある!」
「レストランがある!」

「その通り!国にはたっくさんのものがあるよね!戦争が始まると、爆弾が落とされたり銃で撃たれたりして、国にあるものがどんどん壊されたり殺されたりするね。どうしてそんなことするの?何のために戦争するんだと思う?」

「お金がほしいから…?」

「おぉ~!確かに、戦争に勝ったら負けた国の土地やモノを自分のものにできるし、負けた国の人々を奴隷のように働かせることができるからお金が儲かるね!じゃあさ、お金って何?なんでお金を儲けたいの?」

「お金があれば欲しいものが買えるから!」

「欲しいものって何?お金で何を買うの?」

「食べもの!」
「家?」
「ゲーム!」

「そうだね。お金は欲しいものと交換できる便利なチケットだね。でも、欲しいものを手に入れる方法はお金以外にもあるよ。昔はお金なんてなかったの。その頃はどうやって欲しいものを手に入れてたと思う?」

「物々交換…?」

「その通り!自分が持っているものを人が持っているものと交換して分け合うことができれば、お金がなくてもお互いに欲しいものが手に入るよね。そのためにも、欲しいものを自分でつくることができれば、お金はいらなくなるね。

例えば、私が畑でイチゴを育ててて、美味しいイチゴがいっぱいできたとする。それで、もしMちゃんがケーキをつくるのが得意だったとしたら、『私のイチゴをプレゼントするから、代わりにケーキを作って私に一つプレゼントしてくれない?』と頼むことができる。そしたら二人ともイチゴのケーキを食べることができる。それって嬉しくてハッピーだと思わない?」

「うん、それだとハッピー!」

「だよね!そんなふうにみんながいろんなものをいろんな人と交換して暮らすことができれば、みんなで協力し合って、安心して仲良く生きていくことができると思わない?お金がない時代は、みんなそうやって暮らすのが当たり前だったんだよ。

お金はあると便利だけど、買わなくても手に入る材料で自分や人が欲しいものを作ってお互いに交換すれば、自分が欲しいものを人から奪う必要がなくなって、お金はそれほど必要なくなるかもしれない。戦争とは反対に、『生きていくには人と協力できるように仲良くすることが大切』という世界になっていくかもしれないよね」

「そうか!」という表情で目に力が宿ったように見える子、モジモジしている子、話には加わらず動き回っている子…子どもたちの様子はいろいろですが、そこがタイドプールのいいところ。笑

それぞれ何かが心に残ってくれているといいな…と願いつつ、クラスを先に進めます。

「今日はこれから、『戦争のつくりかた』という短い動画をみんなで見たいと思います。この動画は、もう二度と戦争が起きないようにしたい!と思った人たちが願いを込めて、こどもたちにもわかりやすいアニメにしてつくった作品です」

…と説明し、みんなで動画を見ました。



子どもにも理解できるように配慮して作られたアニメーション主体の動画ではあるものの、内容も音響もシリアスな作品なので、神妙な顔で見入っている子、「いやだ!こわい!見たくない!」と騒ぎ出す子…と、反応はこれまた様々です。

ひとまず最後まで見て、

「ちょっと怖かったかもしれないね。じゃあ、今からは、戦争じゃなく平和をつくるために、みんなに絵を描いてほしいと思います。みんなが『こういう世界に住みたいな』とか『こんなのが好き』と思う『自分にとっての平和な世界』を自由に描いてみて!」と投げかけ、お絵描きタイムに進みました。






みんなが絵を描いている間、私は自宅の畑で採れたハーブや桑の木の葉でお茶づくり。

レモンバジル、レモンミント、桑の葉…を天日干ししたものを調理バサミでチョキチョキ切って、「買わなくても手に入る材料で欲しいものをつくる」を実演。

「私はみんなに美味しいお茶とおやつをごちそうするから、みんなは描いた絵を私に説明してね!」

と伝えると、一人の子から「そっか、物々交換だね!」と楽し氣な声。その通り!さっき話したことをさっそく実践!というわけです。

お茶に対する飲んだ子どもたちの反応は…

「いい匂い!」
「おいしい~!」
「おかわり!」

…と、大好評!

お茶のお供に持ってきた自家製干しリンゴも、みんな「すごく美味しい!」と言って次々手が伸び、あっというまになくなりました。笑

「実はこのリンゴはね、生で食べるとあんまり美味しくなかったの。でも、天日干ししたら甘味がグンと増してすごく美味しくなったんだよ」

と説明すると、みんなビックリ。

庭の草が美味しいお茶になること。
美味しくない果物も干すと絶品おやつになること。

…そんな暮らしの知恵が少しでも伝わったら、とても嬉しいです。


そして最後には、みんなの絵が完成!

一人一人まったく違う、個性あふれる『自分が住みたい平和なせかい』が描かれていて、感動で胸がいっぱいになりました。


   



この子はあえてモノクロで、教室の大きな窓と、窓の向こうの景色を精巧に写生。
今自分の目の前にある日常の風景を「自分が住みたい平和な世界」として描いた彼女に、私は驚きとともに胸打たれてしまいました。

  
↑これ、よく見ると左上に「そうぞうしたことが ぜんぶできる やれる」と書いてある。他の子には見られたくない!と頑なに隠していた彼でしたが、私からお茶とおやつをもらった手前か(笑)私を別室に呼び出して、そこで恥ずかしそうに

「ぼくは、想像したことが全部できる世界に住みたいの」と説明してくれました。

私は、なんて真髄を突いた言葉!と思って驚き、感動して、

「うわ~すばらしいね!今私たちがいるこの世界も、想像したことは全部実現できるよ!私はそう思ってる。だから『こうなったらいいな~』と思うことをいっぱい想像して、実現していこうね!」


と、思わず熱く語ってしまいました。笑



最後はみんなでいつものように、正座して日本式のごあいさつ。

「今日もありがとうございました!」

 
「終戦記念日」をきっかけに「戦争のつくりかた」を観て、「平和なせかい」に旅したひととき。

思いのほかみんなとても集中して見聞きし、たくさんの声を聞かせてくれたことに、胸いっぱい。発見いっぱい。

どんな時も「こうだったらいいな」「こうしたいな」を自由に想像して、それをみんなで、じゃんじゃん創造していこうね!
 

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