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TIDEPOOL OCEAN ACADEMY 「せかい」水曜日

「食べる」ことを観察して、伝えてみよう 〜マインドフル・イーティング〜

せかいクラスの井本ゆきです。
11月10日(水)のクラスは、前日からの強風がまだ続いていたこともあり、室内でじっくりマインドフルに探求する時間になりました。

まずはご挨拶と自己紹介。

私がせかいクラスに参加するのは4ヶ月ぶりでしたが、『地球からの手紙』という絵本を前回いっしょに読んだことなど、覚えている方もいて嬉しかったです。
今回は、私のゼミに参加している大学生の藤賀くんと、葉山のお友達でセラピストの杏子さんとがお手伝いにきてくださいました。藤賀くんは、ラグビーが強い早稲田大学に通っていることをお話しして、杏子さんは、世界各地を旅したことやもうすぐ赤ちゃんが生まれることを話してくださいました。

井本ゼミのせかいクラスでは「火星人に地球のことを伝える」というテーマが続いています。
今日は、「食べる」ということに注目して、「食べる」という経験や、食べものを、
食べた経験がないと思われる火星人に、どのように伝えられるかについて考えていきます。

人間は食べることで生きていて、食べるというのは不思議な営みだけれども、
習慣として当たり前に食べている時もあるかもしれません。

「食べる」という経験や「食べる」対象物を、火星人にも説明できるように、
まずはじっくり丁寧に観察して、味わって、ゆっくり食べてみることにしました。

今回、観察して、食べてみるものはイチゴかミカンです。


 


まずは、一粒のイチゴか一つのミカンを手のひらに置きます。

どんな感触があるでしょう。
じっくり見ると、どのような発見があるでしょう。
どんな匂いがしますか?
ミカンは剥いてみると、中はどんな感触ですか?
イチゴを触っていると、何を感じますか?

 

しばらく目と鼻と手で感じて観察してから、そっと、果物を口に入れてみます。
口の中で転がしたり、ゆっくり噛んでみます。
どんな音がするかな?
からだで何が起こるでしょうか。
のみこむと、何を感じますか?




じっくり味わって、マインドフルに食べると、
たくさんの気づきがあります。

その全ての気づきを書き残すことは難しいけれど、
イチゴやミカンを食べたことがないと思われる火星人に、
イチゴやミカンはどういうもので、それを食べるとはどういう経験なのかを説明して、
絵手紙で送ることにします。

 

   


一人一人が見ているもの、感じていること、絵とことばで火星人に向けて表現していることがとっても鮮やかで、「食べる」ということにこんなにたくさんの気づきが含まれることに驚かされます。

ミカンの皮のつぶつぶや色のグラデーションに気づいたり。中身は「ぷにっ」としたり、「ぷにぷに」と感じたり。「じゅは」と食べたとき音がしたり、「かんかくはぺたぺた」だと気づいた人もいます。「すじの味はややにがい」ようです。
イチゴは、下の方が色が薄くて、柔らかくて、甘い。そして上の方がすっぱいようです。タネは黄色くて、かたい。イチゴを口に入れると、パリッと音がする場所と、シュワっと音がする箇所があったり、ジュワーっと感じた人も、「プチッ」とタネの音が聞こえた人もいます。
へたはお花のようでもあり、レタスのようにも見えます。食べてみて、甘くて美味しいと感じた人がいたり、とても苦いと感じた人がいました。
「そもそも口はいろいろな味をとったり、はでかんだりするところです」と説明した人もいます。

同じ人間・地球人でも、食べるときに見えること、聞こえること、感じることはほんとうに様々なのですね。

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藤賀くんと杏子さんの感想を最後にご紹介します。

今回は果物をじっくりと味わって食べるという経験をしてみて、その経験がどんなものだったかを言葉にするということをやりました。 果物を食べるという行為は同じでも、絵の描き方や言葉の選び方、説明の仕方が子供たちによって全然ちがうのが面白かったです。まずイチゴの絵を紙全体に描いた後で味や食感を書き足している子もいれば、ミカンの皮を剥いてから食べ終わるまでの一連の流れを順番に説明するように書いている子もいました。さらには、イチゴの表面あたり?をレタスの味に似ていると表現した子もいました。 そして子供たち、特に僕が隣で見ていた男の子たちは周りの様子をあまり見ずに、スラスラと自分の思うままに書き進めているように見えました。その結果が、十人十色の表現に繋がったのかもしれません。 僕が高校生の頃を振り返ってみると、自分が何を描きたいと思うのか、よりも周りからどう見られるかということを強く意識していたように思います。だからこそ、紙を前にしてすぐに作業に取り掛かる子供たちの勢いが、新鮮に見えました。

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今回食べることを知らない火星人にどう伝えるか?マインドフルネスに食べるを観察するというテーマで子供達と関わらせて頂き、「食べないと生きられない」「口で食べる」など食べるという行為の前から子供達それぞれの個性的な視点があり、食べるという行為の観察からもヘタまで食べてみたり、噛んだ時の音の表現が豊かだったり、大人の私では出てこないアイデアや表現が面白かったです。 火星人への手紙を書く過程でも、色の使い方、書き方、大きさ、一人一人が違った個性を表現していて、それぞれが素晴らしいなと感じました。 一人一人自分が感じたことを自由に表現することの素晴らしさ、それぞれのカラフルな個性がこの世界の彩りを豊かにすることを子供達から私自身が改めて感じさせて頂きました。 ありがとうございました。

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