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TIDEPOOL OCEAN ACADEMY 「せかい」水曜日

子どものためのマインドフルネス

 
「せかいクラス」の講師、井本ゆき先生のゼミに所属している慶應義塾大学・3年生の小谷かんなと、慶應義塾大学・3年生の田中れいごくんと一緒にクラスを担当しました。


今回の授業では、キラ・ウィリー著者の「子どものためのマインドフルネス」という絵本を使って、子どもたちとマインドフルネスを行いました。

まず手始めに「ロウソクの火をふき消そう」から。手にロウソクを持っているのを想像して、たっぷり息を吸い込んで、火を吹き消さないように優しく息を吹きかけます。

「ふ〜〜」

 

突然始まったワークに戸惑う子どもたち

私たちが目の前に手をかざして、実際にやってもらうと

やさしーく息を吹きかけています。

ちょっと息が強いかな?

女の子たちは少し恥ずかしそう。

沢山の戸惑いが渦巻く中、次の呼吸を使ったワークに進みます。

 
「あったかいスープ」

あったかいスープが入ったカップを手に持っているところを想像します。熱くて飲めないスープを前に、息を限界まで吸い込んで、「スー、スー、スー、スースープ!」と息を全部吐き切るまで言います。

 

さぁ誰が最後まで言い続けられるかな?

競争になるとみんなやる気になって

せーので「スー、スー、スー、スースープ!」

早く途切れちゃってスープ!と言う子もいれば、

途中で息を吸っちゃって永遠にスープに辿り着かない子たちもいて、

息継ぎしないって難しいな水に潜った時ってどうしてたっけ?限界まで息を吸って吐き切ると肺やお腹が大きく動くのを感じます。

 

「ヘビの呼吸」

ヘビになってヘビのような呼吸をやってみよう!

「う」の音を出すような口の形を作って、思いっきり息を吸い込んで、「シュー」とヘビのように音を立てて息を吐きます。
背筋を伸ばしてまっすぐ座り、たっぷり息を吸って、できる限り長く続くように吐き続けます。


これも誰が最後まで伸ばせるのか、せーので競います。

さっきのスープと違って、息を止めずに吐き続けるので細く長く息を伸ばすコツをつかみ、全身を使ってワークに取り組んでくれました。

 

「ハチになろう」

できるだけ背筋をまっすぐ伸ばして座り、ハチになってみます。大きく息を吸って「ブーーーーー」と音を出しながら吐いていきます。これもできるだけ長くブーーーーと吐き続けます。
マスクをしながらだとなかなか難しい。

マスクを外してもいいよと言っても、少し戸惑う女の子たち。男の子は元気いっぱいにいい音で「ブーーーー」と吐き出します。

少しの戸惑いと恥ずかしさがある子もいたかもしれませんが、

ヘビの呼吸?ハチになる?なんで?と疑問を持つこともなく、すぐにワークに入り込んで集中する子どもたちの姿に私たちは驚きとワクワクが込み上げてきました。

 

「嵐」

少し難しいかなぁと思っていた「嵐」のワークに、子どもたちが興味を持ってくれて、

やってみることにしました。

今日はちょうど雨だったので、雨のイメージはつきやすかったかもしれません。

まずは小さな風からどんどん風の音が強くなっていく様子を、手と手を擦り合わせて表現していきます。

 

雨が降りはじめる様子を、ひざを両手でゆっくりとトントン叩いて表します。どんどん強く、どんどん速く、ドシャ降りになるのを表現します。

 

そして「イナズマだ!」と言うと、両手を高く上げて手を叩きます。「カミナリだ!」と叫ぶと足を踏み鳴らします。

「イナズマだ!」「カミナリだ!」の強さもピークに達すると、またひざを叩いて雨になり、だんだん弱くなっていきます。そして手を擦って風に戻りました。

ここで全員の集中力が一気に高まり、輪になったみんなと心が繋がったような一体感が生まれた感触がしました。

 

ここで一旦遊びを挟み、「気配鬼ごっこ」となるものを子どもたちに教わりながら行いました。目を瞑った鬼が周りに散らばった人の気配を察知してどこに誰がいるのか当てていきます。気配は感じますが、なかなか当てられないもどかしいゲーム。集中力が要となりました。


その後またマインドフルネスのワークに戻ると、最初よりみんな恥じらいを捨てて、よりワークに入り込んでいました。

 

他にも多くのワークに取り組みました。

「新しいものを作ろう」では誰も考えたことのないものを頭の中で発明しました。

服を着せ替えてくれる機械!雲のような真っ白でふわふわな羽で空を飛ぶ!ワクワクする発明が溢れ出します。

「顔をシャキッと!」では目や鼻、口、あご、舌を目一杯動かします。

「体をねじろう」ではキリンを想像して体をひねったり、

「ライオンの呼吸」は大きく「ハァーーーー」と息を吐きます。

「子ネコの背のび」は手を前に組んでグーんと背中を丸め、子ネコのように背のびをしました。

「力を入れて抜く」は体中に思いっきり力を入れて、フッと抜きます。

 

2回目の「嵐」のワークは私たちだけでなく、子どもが誘導をしてくれました。強弱を大切に、小さな音からどんどん強くなる様子を上手に導き、周りの子たちも波長を合わせながら気持ちを一つにしていました。

 

最後に「何もしない」ワーク

みんながそれぞれリラックスできる体勢になり、吸って、吐いて。目を閉じてる子もいました。
 

これで全てのワークが終わり、みんなの様子を伺うと、

リラックスして終わるのかと思いきや、

男の子たちは意外とみんな元気!?スッキリした様子でおしゃべりが止まりません。

女の子たちの表情はやりきった想いに溢れて、少し疲れた様子。

 

どのワークが一番楽しかった?と聞くと、数多くのワークの中で「何もしない」がよかったという声があり、驚きました。また「何もしない」はない!と自分なりのリラックスを追求している子もいて、感じ方、考え方の度合いがそれぞれ違うのと同じように、「リラックスの度合いもそれぞれ違うよね」と、また新たな発見もありました。

 

子どもたちに教わった「気配を感じる鬼ごっこ」も、誰がどこにいるのか気配だけで当てるのは、マインドフルネスのワークにもぴったりだったのではと思います。



私たちゼミ生は井本先生の指導でマインドフルネスを行っています。マインドフルネスは大人がやるものと思っていましたが、今回子どもたちとマインドフルネスを行ったことで、子どもたちの方が上手にできるのでは?とすら思いました。

「なぜこんなことをするの?」といった疑問や無駄な考えが浮かぶことなく、すぐにワークに入り込み、集中力がグングン高まっていく様子に圧倒されました。

 

特に「嵐」のワークは、自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちや雰囲気を感じ取る様子に、非言語で周りとつながる力の可能性を感じました。

今回の授業では、子どもたちの集中力の高さ、大人より上手にどんなことでもすぐ取り組める姿に感心するばかりでした。簡単にどこでも行えるワークなので、これからの授業でも行っていけたらと思います。

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