こんにちは!
慶應義塾大学井本由紀ゼミに所属している吉賀希と鈴木海美です。
今回は言葉を使わずに、ジェスチャーや絵で事物や感情を表現するワークをしてもらいました。
前半のジェスチャーゲームでは、どのような動きで自分の表現したいことが伝わるか試行錯誤していました。お題は「野球」「ありがとう」「悔しい」など、具体的な物や感情などの抽象的で複雑なお題まで多岐に渡ります。
皆さん、一つのジェスチャーで伝わらないときはあれこれ動きを変え、必死に考えてくれました。自分のジェスチャーが相手が単語からイメージする動きと異なることにもどかしさを感じていたようです。その分、相手のジェスチャーを理解できたとき、自分の伝えたいことが伝わった時の喜びは大きく、楽しんでゲームに参加してくれました。
次は、お絵描きによる伝言ゲームを行いました。2つのチームに分かれて行い、先に答えを出せた方が勝ちです!
"みかん"はあっという間に終わりました。物質的なものであるということもあり、簡単だったようです。
"冬"はどうでしょうか。最初から最後まで雪だるまの絵が伝わり、最後の人が「雪だるま!」と答えると、「雪の絵も描いてあるよ!」と教えてくれた子がいました。絵をいくつか描くことで情報を沢山伝えられる一方、相手チームに先を越されないように次の人に素早くバトンを繋いでいかなくてはならず、問題が進むにつれて皆さん絵を描きながら考えることが増えている様子でした。
みんなお友達の描く絵に興味津々でした。
最後は"好き"です。感情を絵にするのは中々難しく、解釈も様々でした。笑顔の女の子の周りにハートを描いてくれた子がいましたが、「可愛い」と捉えた子もいました。
今回のワークを通じて、言葉だけでなくジェスチャーや表情、絵など相手に事物や感情を伝える方法は多様にあり、その難しさと楽しさを体感してもらえていたらなと思います。また、言葉の自分と他人の考え方が異なることを考えるきっかけになれば嬉しいです。
こんにちは!
井本由紀先生のゼミに所属している、慶應義塾大学3年の山本拓夢と鈴木彩恵です。
今回は、制限をかけることで普段とは違った感覚・感情を体験してもらいました。
クラスの前半は公園に行って一緒に鬼ごっこをしました。
目印になるマーカーをおいて、普段よりも狭い範囲で鬼ごっこに挑戦!
最初は普段よりも狭いことに戸惑っている様でした。ですが、だんだんと慣れていき「ここにマーカー置く!」と言って積極的に範囲を決めてくれました。
最終的には子どもたちでとてもユニークな形に範囲を決めていました。
いつもと違う特殊な範囲の中でも「ここはこうやって動いたら逃げられるよ!」と教えてくれる子もいて、その場に合わせた自由な発想を体現していたのが印象的でした。
後半は部屋に戻って、「目を閉じて動いてみる」をテーマに活動を行いました。
まずは、「目を閉じた状態で歩いて、ゴールを目指すゲーム」に挑戦しました!
一人が目を閉じて、他の人が声で誘導してゴールを目指すゲームです。
「やってみる!」や「私もやりたい」と、自らゲームに挑戦しようとする様子が見られました。また、「右右右...」や「ストップ!」など、誘導する側の声かけにも積極的に参加していました。
次に、「目を閉じた状態で、一列に並んでみるゲーム」に挑戦しました!
今度は全員が目を閉じて、テーマ(身長順や誕生日順)に応じて一列に並ぶゲームです。
「◯月の人いる?」や「〇〇(名前)はここ」など、積極的にみんなをまとめる動きが見られました。また、はじめは「やらない」と言っていた子も、途中から「私もやる」と言って参加する場面もありました。
全体を通して、笑顔で活動している子どもたちの姿がとても印象的でした。また、私たちも楽しみながら活動し、新たな感覚や感情と出会うことができたと感じています。
今回もありがとうございました!
こんにちは!
井本由紀教授のゼミに所属しております、慶應義塾大学3年の鈴木彩恵と北薗萌子です。
今回は、感情をテーマに『日本昔ばなし』を観て、気持ちについて考えてみました。
まず、「人の気持ち」にはどんなものがあるのかを知ってもらうために、アーニャの多様な表情を見て、その時の気持ちを一緒に考えてみました。「うれしい」「かなしい」などの形容詞以外にも「ワクワク」「し~ん…」などといった擬音語を使って表現してくれました。中には、「約束やぶられたとき」「りかいできない」といったように場面を想像してくれる子も!
そして本題の『日本昔ばなし』を鑑賞しました。私たち大学生ですら馴染みがなくなってしまったお話なので、子どもたちも見たことがある子は少ないようでした。ですが、お話が始まるとみんなすごく真剣に見入ってくれました。
最初は『はなさかじいさん』。隣の悪い老夫婦に対して「ひどすぎる」とか、「本当におじいさんなの?」とつぶやいていました。「相手の気持ちを考え、優しくできるのが大人である」というイメージとこの老夫婦に、ギャップを感じたのではないでしょうか。このような意見がでるのは子どもらしい視点だなあと思いました。主人公の優しい夫婦については「こんな人が近所だといいな~」とか、「優しすぎる!」という意見を言ってくれる子もいました。
その後も3本のお話を食い入るように見てくれました。途中、少し怖いお話もあり、より興味津々で見る子もいれば、見るのをやめてしまう子もいました。同じお話を見ても、反応がそれぞれ異なっていたのが印象的でした。
残りの時間ではYouTubeで子どもたちがみたいものを見ました。子どもたちの見ているものが私たち大学生とあまり変わらないことにすごく驚きました。Mrs. GREEN APPLEの『ダンスホール』を流すとノリノリで踊り出してくれる子も!
授業全体を通して、子どもたちの予想外の行動や反応がとても印象的でした。
こんにちは(^^)/
毎月第三水曜日の「せかい」クラス講師、はらみづほです。
終戦記念日の翌日に開かれたこの日のクラスは、「終戦記念日って知ってる?」という問いかけからスタートしました。
「終戦記念日、って、知ってる?」
「知ってるー!戦争が終わった日でしょ?」
「うん、そうだね。第二次世界大戦が終わった日です。どことどこが戦争してたの?」
「日本とアメリカ?」
「うん、でも日本とアメリカだけが戦ったわけじゃありません。日本、ドイツ、イタリアのグループと、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア(当時のソビエト連邦)、中国のグループとが約6年間戦っていた戦争が、第二次世界大戦です。
そして、今から78年前の8月にアメリカが日本の広島と長崎に原子爆弾を落とし、放射能の毒でたくさんの命が亡くなったり傷ついたり病氣になったり、大変な状態になったことがトドメになって日本軍が負け、天皇陛下がラジオ放送で戦争が終わったことを発表したのが、1945年の8月15日だったんです」
今日は小学1年生と2年生だけだったので、学校ではまだ習っていない情報だったのか、みんなちょっとビックリしたような顔をしています。
「今ロシアとウクライナが戦争してることをみんなも知ってると思うけど、昔は日本も戦争をしていたんだね。じゃあさ、戦争っていったい何?戦争するって、どういうこと?」
「国と国が戦うことでしょ!」
「そうだね。じゃあ、国って何?国には何があるの?」
「土地…?」
「人間がいる!」
「木がある!」
「動物がいる!」
「学校がある!」
「家がある!」
「デパートがある!」
「レストランがある!」
「その通り!国にはたっくさんのものがあるよね!戦争が始まると、爆弾が落とされたり銃で撃たれたりして、国にあるものがどんどん壊されたり殺されたりするね。どうしてそんなことするの?何のために戦争するんだと思う?」
「お金がほしいから…?」
「おぉ~!確かに、戦争に勝ったら負けた国の土地やモノを自分のものにできるし、負けた国の人々を奴隷のように働かせることができるからお金が儲かるね!じゃあさ、お金って何?なんでお金を儲けたいの?」
「お金があれば欲しいものが買えるから!」
「欲しいものって何?お金で何を買うの?」
「食べもの!」
「家?」
「ゲーム!」
「そうだね。お金は欲しいものと交換できる便利なチケットだね。でも、欲しいものを手に入れる方法はお金以外にもあるよ。昔はお金なんてなかったの。その頃はどうやって欲しいものを手に入れてたと思う?」
「物々交換…?」
「その通り!自分が持っているものを人が持っているものと交換して分け合うことができれば、お金がなくてもお互いに欲しいものが手に入るよね。そのためにも、欲しいものを自分でつくることができれば、お金はいらなくなるね。
例えば、私が畑でイチゴを育ててて、美味しいイチゴがいっぱいできたとする。それで、もしMちゃんがケーキをつくるのが得意だったとしたら、『私のイチゴをプレゼントするから、代わりにケーキを作って私に一つプレゼントしてくれない?』と頼むことができる。そしたら二人ともイチゴのケーキを食べることができる。それって嬉しくてハッピーだと思わない?」
「うん、それだとハッピー!」
「だよね!そんなふうにみんながいろんなものをいろんな人と交換して暮らすことができれば、みんなで協力し合って、安心して仲良く生きていくことができると思わない?お金がない時代は、みんなそうやって暮らすのが当たり前だったんだよ。
お金はあると便利だけど、買わなくても手に入る材料で自分や人が欲しいものを作ってお互いに交換すれば、自分が欲しいものを人から奪う必要がなくなって、お金はそれほど必要なくなるかもしれない。戦争とは反対に、『生きていくには人と協力できるように仲良くすることが大切』という世界になっていくかもしれないよね」
「そうか!」という表情で目に力が宿ったように見える子、モジモジしている子、話には加わらず動き回っている子…子どもたちの様子はいろいろですが、そこがタイドプールのいいところ。笑
それぞれ何かが心に残ってくれているといいな…と願いつつ、クラスを先に進めます。
「今日はこれから、『戦争のつくりかた』という短い動画をみんなで見たいと思います。この動画は、もう二度と戦争が起きないようにしたい!と思った人たちが願いを込めて、こどもたちにもわかりやすいアニメにしてつくった作品です」
…と説明し、みんなで動画を見ました。
子どもにも理解できるように配慮して作られたアニメーション主体の動画ではあるものの、内容も音響もシリアスな作品なので、神妙な顔で見入っている子、「いやだ!こわい!見たくない!」と騒ぎ出す子…と、反応はこれまた様々です。
ひとまず最後まで見て、
「ちょっと怖かったかもしれないね。じゃあ、今からは、戦争じゃなく平和をつくるために、みんなに絵を描いてほしいと思います。みんなが『こういう世界に住みたいな』とか『こんなのが好き』と思う『自分にとっての平和な世界』を自由に描いてみて!」と投げかけ、お絵描きタイムに進みました。
みんなが絵を描いている間、私は自宅の畑で採れたハーブや桑の木の葉でお茶づくり。
レモンバジル、レモンミント、桑の葉…を天日干ししたものを調理バサミでチョキチョキ切って、「買わなくても手に入る材料で欲しいものをつくる」を実演。
「私はみんなに美味しいお茶とおやつをごちそうするから、みんなは描いた絵を私に説明してね!」
と伝えると、一人の子から「そっか、物々交換だね!」と楽し氣な声。その通り!さっき話したことをさっそく実践!というわけです。
お茶に対する飲んだ子どもたちの反応は…
「いい匂い!」
「おいしい~!」
「おかわり!」
…と、大好評!
お茶のお供に持ってきた自家製干しリンゴも、みんな「すごく美味しい!」と言って次々手が伸び、あっというまになくなりました。笑
「実はこのリンゴはね、生で食べるとあんまり美味しくなかったの。でも、天日干ししたら甘味がグンと増してすごく美味しくなったんだよ」
と説明すると、みんなビックリ。
庭の草が美味しいお茶になること。
美味しくない果物も干すと絶品おやつになること。
…そんな暮らしの知恵が少しでも伝わったら、とても嬉しいです。
そして最後には、みんなの絵が完成!
一人一人まったく違う、個性あふれる『自分が住みたい平和なせかい』が描かれていて、感動で胸がいっぱいになりました。
この子はあえてモノクロで、教室の大きな窓と、窓の向こうの景色を精巧に写生。
今自分の目の前にある日常の風景を「自分が住みたい平和な世界」として描いた彼女に、私は驚きとともに胸打たれてしまいました。
↑これ、よく見ると左上に「そうぞうしたことが ぜんぶできる やれる」と書いてある。他の子には見られたくない!と頑なに隠していた彼でしたが、私からお茶とおやつをもらった手前か(笑)私を別室に呼び出して、そこで恥ずかしそうに
「ぼくは、想像したことが全部できる世界に住みたいの」と説明してくれました。
私は、なんて真髄を突いた言葉!と思って驚き、感動して、
「うわ~すばらしいね!今私たちがいるこの世界も、想像したことは全部実現できるよ!私はそう思ってる。だから『こうなったらいいな~』と思うことをいっぱい想像して、実現していこうね!」
と、思わず熱く語ってしまいました。笑
最後はみんなでいつものように、正座して日本式のごあいさつ。
「今日もありがとうございました!」
「終戦記念日」をきっかけに「戦争のつくりかた」を観て、「平和なせかい」に旅したひととき。
思いのほかみんなとても集中して見聞きし、たくさんの声を聞かせてくれたことに、胸いっぱい。発見いっぱい。
どんな時も「こうだったらいいな」「こうしたいな」を自由に想像して、それをみんなで、じゃんじゃん創造していこうね!