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TIDEPOOL OCEAN ACADEMY 「せかい」水曜日

児童労働について考えてみよう

こんにちは!井本由紀先生のゼミに所属しております、慶應義塾大学3年の吉賀希です。

 

今回は、同ゼミに所属しております長井、吉賀の合計2名で対面授業を担当致しました。

 

今回は、“児童労働について考える”をテーマに、チョコレートの成り立ちを始め、世界の児童労働における現状、そしてこれからについて考えるワークを実践しました。

 

 

 

最初に

「今日は少し難しいお話をしようと思っているんだけど

と言うと、

 

「わかった!食糧困難!」

「戦争!」

次々と子どもたちから社会問題が挙がります。


 

「ヒントは、みんなと同い年くらいの子どもたちかな

と言うと、すぐに児童労働に行き着き ました。

この言葉を既に知っていたことに驚きました。



まずは、みんなでチョコレートを食べました。


 

早速、子どもたちに質問をしてみます。

「チョコレートはどうやってできたのかな?」

 

「カカオ豆!」という言葉が出る中、

「カカオ豆を砕いてできたカカオマスからできるんだよ。」

と詳しく説明してくれた子がいました。

 

カカオ豆の写真を見て、

「チョコレートって元々こんな感じなの?もう食べないことにした!」

と言う子も

 


 

「チョコレートは、カカオマスと砂糖とバターで綺麗な結晶になって固まっているから、一回解けちゃうと、もう元のようには戻らないんだよ。」

と教えてくれた子もいました。

日頃から身の回りのことにアンテナを張って、沢山のことを吸収しているのだろうなと思うのと同時に、学ぶ姿勢としてとても素敵だなと感じました。

次に、このような質問をしてみます。

「このチョコレートはどこの国から来たのかな?」

 

これはみんな少し難しそうでした。

「ヒントは今みんなが食べたチョコレートのパッケージ!」

みんなパッケージに書かれた「Ghana」という文字を何とか読もうとしてくれました。

 


「ガーナだ!」

とある子が言ってくれました。

 

「日本で使われているカカオの70%以上はガーナからもらっているんだって!」

と伝えるとみんな少し驚いている様子でした。

 

「じゃあ、そんなガーナはどこにあるのかな?」



みんな大きな世界地図に向き合い、一生懸命にガーナを探します。


 

「カカオは熱帯でしか取れないから赤道に近い気がする。」

というある子の鋭い指摘で、あっという間にガーナが見つかりました。

 

ここからは今回の本題。

 

「日本で使われているカカオの70%以上はガーナからもらっているってさっき言ったと思うんだけど、ガーナでカカオをつくる時、みんなと同い年くらいの子が沢山働いているんだって。」

 

今までと少し雰囲気が変わりました。

 

「実は612日は児童労働反対世界デーなんだけど、これは2002年に“児童労働を失くそう!という”思いで決められたんだよ。」

 

20年前じゃん」

と気づいて言ってくれた子がいました。

 

「そうだね。20年も経ってるのに、世界で児童労働をしている子どもはまだ1.6億人くらいいるんだって。1.6億人ってどのくらいの人数か想像つきにくいけど、517歳の子どもの10人に1人が働いているということなの。」


 

「みんなは児童労働はなくなるべきだと思う?」

と聞くと、

 

「なくなるべきだと思う。勉強と仕事を両立するのは大変だから。」

と答えてくれた子がいました。

 

「児童労働をしている子はお仕事が忙しすぎて勉強する時間もないんだって。」

と伝えると少し意外に感じている様子でしたが、仕事と両立することとして勉強がすぐに挙がるのは、平日は15コマ程授業を受けるのが当たり前の彼らならではの視点で面白いなと思いました。

「どっちでも良いと思う。」
と答えてくれた子もいて、どうしてそのように考えてくれたのかを聞くことはできませんでしたが、その子の頭の中ではきっと様々な思いや考えが絡み合っていたのだろうと思います。



最後にみんなで再びチョコレートを食べて、今回のワークはおしまいにしました。

 

 

 

私たちにとって非常に身近な食べ物であるチョコレート。

“これが自分と同い年の子たちの手によって作られたものなのかもしれない”
ということは、子どもたちにとって少し衝撃が大きかったかもしれません。

 

それでも今回の授業を通して、

朝ご飯を食べて、学校に通って、授業を受けて、友達と遊んで、家に帰ってきて、お風呂に入って、夜ご飯を食べる

という子どもたちにとっての“当たり前は世界のどこかに暮らす子どもたちにとっては“当たり前ではないのかもしれないということを少しだけ感じてもらえれていればなと思うのと同時に、この先、この問題が依然として残り続けてしまった時に、子どもたちも私たちもこれに目を向けられる人でありたいなと思いました。

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