こんにちは!「せかい」クラス担当の、はらみづほです。
さてさて、今日はいよいよ、会いたい人に送る手紙の清書を書く日。
今日みんなが書く清書にタイドプールのスタッフと私が心を込めて別添えの手紙を同封し、恐らくたくさんのファンレターが届くであろうお相手たちの目に留まりやすいように、来年の年賀状シーズンが終わった頃に着くタイミングで発送することにしました。
その流れについてみんなに伝えたあと、清書を書く際の心構えをレクチャー。
「みんな、“せいしょ”って、どういう意味かわかる?漢字で書くとどういう字かな?」
辞書で調べると、
「清書」・・・下書きや原稿などを読みやすくするため、きれいに書き直すこと
「正書」・・・漢字の書体の一種で、正式な書体
とのこと。
「正しい書!」と答えてくれた子達もいましたが、今回の「せいしょ」は「清書」。
下書きした書面を読みやすく丁寧に書きあらためる、言わば“本番の書面”です。
「だから姿勢を正し、スッキリ澄み渡る清らかな氣持ちで、相手の人が読みやすいようにクッキリと大きな字で、心を込めて丁寧に書こうね」
一人一人の目を見渡しながらゆっくりハッキリそう伝えると、みんな「はーい!」といい返事。
心なしか室内に澄んだ緊張感とヤル氣が満ちてきたようです。
タイドプールのスタッフさんが用意してくれた便箋は、少し小ぶりで上品さが感じられるものと、大きめのスタンダードタイプの2種類。
「清書」には、消すこともできるえんぴつよりボールペンやフェルトペンがオススメ、と伝えた上で、書く道具も、子ども達が書き慣れているえんぴつを含め数種類用意し、自由に選んでもらいました。
(今これを書きながら、「日本人らしく清書は筆で書く」という選択肢も用意するとよかったかも、と思いました。来年は筆で書くことの意味や特別な力について伝える授業もしてみたいな~。笑)
「下書きと違うことを書いてもいい?」
「いいよ~!」
清書に向き合うことで、下書きのときとは違う言葉が生まれてくるのは自然なこと。
下書きをした安心感に支えられつつ、それを超えた「今ここにある想い」を文字にしていくみんなの姿から真摯なエネルギーをビンビン感じ、私はいつになく静かな教室の中で、胸がいっぱいになりました。
真剣な表情でひたすら黙々と鉛筆を走らせていたMちゃんは、ホンモノの「清書」を目指し、なんと6回も書き直したそう!
そんな彼女の姿を、タイドプールの番犬・ナイトも、“お姫様を守るナイト(騎士)”のように見守っています。
これは、茶封筒を一人一人の絵で彩った「オリジナル封筒」の完成品ですが、できあがったみんなの手紙もこの封筒に負けない、世界に一つだけのすんばらしい作品になりました!
内容をこのブログに共有してもいいかどうか子ども達に確認していないので、今回はここでの公表は控えますが、どの手紙にも、見るからに一字一字丁寧に書かれたことが伝わってくるクッキリとした文字が便箋いっぱいに並んでいてそれぞれに読み応えがあり、一人一人の個性や素直さが伝わってくる、「せかい最高!」の作品だらけ。
私の目と心には、それぞれの子のあふれる想いがかけ流し温泉のように流れ込んできて、涙腺が崩壊寸前!でした。笑
こどもたちが手紙にきちんと盛り込んでくれた、私がこの授業の最初に伝えた<ラブレターに書く内容例>は、こんな感じ。みなさんもラブレターを書くときの参考にしてくださいね!笑
①宛名と、ごあいさつ
②自己紹介
③その人に会いたい理由、手紙を書こうと思った理由
④その人のどんなところが好きなのかや、質問など
⑤その人へのお願い(お返事のリクエストなど)
⑥最後のごあいさつ
⑦今日の日付と名前(手紙の郵送が来年になるので、今回は名前だけにしました)
Rくんのお相手は、さかなくん。
「この本は大切な人の形見なの」と言って見せてくれた『さかなのなみだ』という本には、心に優しくしみてくるさかなくんの幼少時代のお話が、こどもにもわかりやすい素直な言葉で語られていました。
彼が書き上げたさかなくんへの手紙には、ふだんは元氣いっぱいのヤンチャなRくんの「さかなくん愛」が便箋から噴水のようにあふれ出していて、笑わされたり、じわ~んときたり。
同じく、さかなくんに手紙を書いたYくんの文面も、これまた彼の個性と丁寧さが光っていて、「なるほど~!」と思わされたり、「うんうん、そうかそうか~」と思わずうなずいてしまったり。
あぁ~!彼らの想いを、さかなくんもしっかり受け取ってくれますように…!
Fくんのお相手は、ユーチューバーのマイゼンシスターズ(ゼンイチさんとマイキイさん)。
私には未知のユーチューバー用語がたくさん盛り込まれていましたが、「これなぁに?」と尋ねて教わりながら、私も新時代を学習(笑)。
下書きの時は戸惑った様子でなかなか書き進められずにいたFくんですが、「どうやって彼らのことを知ったの?」「最初にこのユーチューブを観たとき、どんな氣持ちになった?」「この人たちのユーチューブは、Fくんにとって他の人とどう違うの?」などの私の質問に答えるうちに、ラブレターのコツをつかんでいったよう。
「ぼくも下書きじゃなくて清書したい」と言って書き始めたら、ちゃんと彼らへのラブを感じるレターに仕上がっていて、「おぉ~!」と安心するやら感動するやら。
そして、書き終えたFくんが私の耳元でささやいた言葉に、私はハッとし、またもやジワ~ンとしたのです。
「ぼくね、手紙書いたの初めてなの。しかも、会ったこともないユーチューバーに手紙を書けるなんて思わなかった」
Fくんの言葉を聞いたYくんも、「ぼくも、ママにはいつも手紙を書いてたけど、まさかさかなくんに手紙を書けると思わなかった」と。
私はあらためて「この授業をやってほんとうによかった!」と思い、彼らの手紙に対して何らかの返信がもらえるように精一杯できることをしようと心に誓いました。
まだ下書きどまりの子も数人いるので、彼らの清書もしっかり仕上げてもらい、みんなの「せかい」が憧れの人々に届くよう、サポートしていきたいと思います!