こんにちは!「せかい」クラス担当の、はらみづほです。
今日(1月29日・水曜日)は私のクラスの、2020年最初の授業。
「みんな、日本式の新年のごあいさつはしたことあるかな?」
「ない~!」
ありゃりゃ、そうかいな。
ではまず正座するところから、日本の新年のごあいさつをしましょうね。
背筋をすーっと伸ばして正座し、左右の手のひらは、左右の太ももの上に。
次に、太ももの上の手のひらを、太ももの上をスーッと前にすべらせて前に出します。
左右の人差し指と左右の親指の先を合わせ、親指と人差し指で三角をつくって床に置いたら、
相手の目を見て「あけましておめでとうございます」と一言。
そのあと丁寧に頭を下げ、額が床に着きそうになったところで止めて一呼吸置いたのち、
頭をゆっくり上げて、また最初と同じ姿勢に戻ります。(手のひらは再び太ももの上)
みんなとっても上手にできました!
これで、お嫁さんをもらいに行く時のご挨拶も安心だね!(笑)
さて、では、今日の授業の本題に入りましょう!
今日は「せかい」が何でできているかを考え、観察し、
「せかい」の正体をリアルにつかみとっていく授業です。
「せかい」というとでっかすぎてピンと来ないけど、
その「せかい」を形作っている一つ一つの構成要素を知り、感じることができれば、
グッと理解が進み、その「せかい」を身近に感じることができる。
そうしてそれは、「大切にすること」や「愛すること」にも、
きっとリアルにつながっていくはずなのです。
というわけで、まずは地図を見ながら質問。
「せかいには、何がある?」
「人間がいる」「サルがいる!」「魚がいる!」「いろんな生き物!」
「虫」「鳥!」「植物!」「水」「マグマ」「地面」「ゲーム」「うんこ!」
「土」「鉄」「石」「こくおうせき!(黒曜石のことかな?)」
「本」「教科書」「紙」「お菓子」「車!」……
うーん、そうだね~!いろいろ数え切れないくらいあるね~!
そういう数え切れないものぜーんぶで、
地球の上の「せかい」はできてるよね~!
じゃあ今度は…
「日本には何がある?」
「ユニバーサルスタジオジャパン!」
「富士山!」「ゲーム!」
「国旗がある!」「もなか!」「島がある!」
「梅干と梅干弁当がある!」
「神奈川県とか東京タワーがある!」
「やくざがいる!」「悪いことする人いる!」
「いいことする人もいる!」
「川がある!」「山がある!」「断崖絶壁がある!」
「四文字熟語ある!」「ことわざがある!」
「青息吐息がある!」「一氣同鉄がある!」
「めんどくさい算数がある!」
「国語ある!」「漢字ある!」「漢字辞典がある!」
「タイドプールがある!」
「環境破壊がある!」「Co2がある!」「H2oがある!」
「夕焼けがある!」「空がある!」
「ようたろうがいる!」「りゅうじがいる!」
「りょうたがいる!」「ひろとがいる!」
「みづほさんがいる!」
そうだね~!
日本の中だけでも、数え切れないくらいたっくさんのものがあるね~!
そして…この日本の中に、ここにいる一人一人がいる。
さあ、じゃあここでまた、新しい問題を出すよ。
「自分のせかいには何があるか」
「自分のせかいは何でできているのか」を、
一人一人黙って考えて、できるだけたくさん紙に書き出してください。
ひとりひとりが「せかい」だから、
自分という「せかい」のガイドブックを書くつもりで、
思いつくものを端から全部書き出してね!
…するとみんな急に静かになって、真剣に考え考え
それぞれの答えを紙に書き始めました。
字で書く子も、絵で描く子もいます。
めっちゃ集中して、ハナ息が荒くなっている子もいます。笑
みんなと同じものもあるかもしれないし、違うものもあるかもしれない。
同じと思っていても、一人一人カタチが違うかもしれない。
食べたものもあるだろうし、知ってることもあるかもしれない。
外側から見えるものも、外からじゃ見えないものも、
カタチのないものもあるかもしれない。
間違いはないから、
「自分のせかいにはこれがある!」と
自分が思うものを何でも書き出してみてね。
「オレね、人がいて、にぎやかなのが好き。
キケンなものとかがない世界がいい。
自分がただ“うれしい”と思うことが好き」
書きながらそうつぶやいたRくんの素直さにハッとして、
そうか~だからいつも賑やかにしてるのか~!とナットク。
見えなかった「せかい」が見えてくると、理解が深まるね!
見えるものも見えないものも、
一人一人みーんな、きっと全然違う「自分だけのせかい」があるはず。
じゃあ、そろそろ発表タイムに移りましょう!
まずはいちばん最初に書き終えたRJくんからどうぞ~!
「心臓、脳みそ、めんたま、サッカーボール、自分だけのいのち、
映画、なわとび、意気満点(意気消沈のオリジナル対義語?!)、
ともだち、ちきゅう、透明、病氣、危機一髪、地面、サル、
寄付、城、ゴール、自分のせかい、ことば、人!」
うわ~!なんてドラマチック!
彼の「せかい」がイキイキと浮かび上がってきましたね~!
お次はYくん。いってみよ~!
「さかな(彼は魚が大好きなのです)、お母さん、お父さん、
両生類、爬虫類、人、哺乳類、鳥類、軟体動物、サーフィン、スノボ、海、
心、感情、喜怒哀楽、ガラパゴス諸島、学校、理科、算数、
コロナウィルス(知っている、という意味です)、インフルエンザ、
CO2、CO、炭素、粒子、オーロラ、プラズマ、犬、
日本、地図、地震、ゲーム、顕微鏡、ばあば、じいじ、本。
自分のせかいっていうか、自分の脳にあったことをアウトプットしたの」
とYくん。
いや~おもしろい!
生物学者を目指しているYくんらしい、
RJくんとはまた全然違う「せかい」が立ち上がってきましたね~!
では、次はHくんの「せかい」を発表してもらいましょう!
「えっと、まずゲームがあって、病気がなくて、人もたくさんいて、
サーフィンもあって、焚き火もあって、学校もある」
…と言って、
彼はその言葉以上のものが紙いっぱいに描かれた絵を見せてくれました。
ひゃ~ブラボー!ヽ(^o^)丿♪
言葉にならない「せかい」がバッチリ描かれています。
彼は、言葉より絵で表現するのが得意なんですね~!
この絵が写真にハッキリ写っていなくて、
お見せできないのが残念だ~!(≧o≦)
最後のRくんも、またまた絵で「せかい」を表現してくれました。
「サーフィンがあって、テレビがあって、ウイルスや病氣がなくて、
ゲームがあって、人がいっぱいいて、にぎやかで、自分が楽しく暮らしたり、
勉強とかもするし、みんなが楽しく暮らせるせかいをイメージした」
…とプレゼンしてくれて、
彼もまた説明以上の「せかい」が、紙の隅々まで絵で表現されていました。
似ている表現方法でも、視点や氣持ちや考えが違うから、
表現される「せかい」は、四者四様。
個性があふれていて、それぞれなんて豊かなんでしょう!ヽ(^o^)丿♪
では、本日のラストは、
「自分から見た相手のせかい」。
二人組みになって互いに相手をじっくり観察し、
想像も含めて「相手のせかい」を表現してもらいます。
「この人の心臓は、どんなカタチだろう…?
あ、脳はどんなカタチだろう…?」
…と、RJくんを見ながらつぶやくYくん。
いいねいいね~その調子!!!
今まで友達としてつきあってきて、その人は
何が好きだったかな~ 何がキライだったかな~
何が得意で、何が不得意だったかな~
どんな思い出があったかな~
誰が好きだったかな~
どこに行ったって話してくれたっけな~
…と、これまでをふりかえるだけでも、
見えてくるものがいっぱいあるね~
さて、ではまず、
「Yくんから見たRJくんのせかい」を発表してもらいましょう!
ちゃんと相手の目を見ながらね!
「自分を大切にしていて、好きなことができて、目の下にホクロがある。
楽しく生きている。自由。しあわせ。外国の知識。スポーツ。
脳は広くて複雑そう。男の子・家がキレイそう。
喜怒哀楽のメリハリがついている。肌が白い。楽しそう。
サッカーが好き。いろんな外国に行っている。
4月で3年生。頭が四角い。ゴクッてやってる」
うひゃ~!よく観察したね~!
Yくんならではの言葉や、目のつけどころがいっぱいだ!ヽ(^o^)丿♪
では、お互いに「ありがとう」の氣持ちが伝わるように、
向かい合ってお互いに目を見ながらおじぎをして、
相手のせかいを書いた紙を賞状みたいに手渡してください。
では、次は「RJくんから見たYくんのせかい」の発表です。
「自然が好き。理科実験が好き。目の下にホクロがある。
友達がいっぱいいる。体がある。やさしい心がある。
顔の大きさが心臓くらいだと思う。
爪が大きい。男子。肌が暗い色(日に焼けてるのかも?)。
さかなクンが好き。指紋がある。
手とかに傷(シワ?)がいっぱいある。
中指にホクロがある。口がピンク色。
足にシワみたいな線がいっぱいある。
耳が赤い。ホクロがいっぱいある」
これまたRJくんならではの視点によって、
Yくんが見たYくんせかいとはまた違った
「Yくんのせかい」が立ち上がってきました。
最後の一言を聞いて「大正解!」と、ちょっと嬉しそうなYくん。
自分のことを丁寧に見てもらうのって、
照れくさいけど、きっとちょっとうれしい氣分だよね~(o^-')b
さて、こちらチームは「相手のせかい」を
またまた絵で表現してくれました。
ウイルスをバリアしている様子や、ゲームやサーフィン、
人々でにぎわってる様子や小学校などが描かれています。
さっきのRくんの発表をよく聴いていたんだね!
Rくんも、Hくんの世界を絵で表現。
「さっきHくんが言ってたこと聞いてたから、学校とかを描いて、
ゲームのスイッチも描いて、サッカーゴールやサッカーを始めるところ、
お金や、友達が学校に来てる様子や、サーフィンも描いた」とのこと。
ふたりともまたA4の紙いっぱいに、相手の絵や話をもとにして
「自分から見た相手のせかい」を描いてくれました。
渡し合いもピシッと決まったね!
みんな、すばらしい!!!
今日もよくできました~!ヽ(^o^)丿♪
<ふろく>
授業のあとHくんがホワイトボードいっぱいに描いた絵に
RJくんも参加した、ふたりのコラボ作品をチラリ。
左下に縦に描かれているのは、サメの形のアトラクションなのだそう。
サメのおなかの中に作られたローラーコースターを滑り降りるために、
大勢の人が列を成して並び、サメの口の中に飛び込んでいくのだそうな!
「待ち時間が長いから」と、途中に出店も出店し始め…
ストーリーと「せかい」がHくんたちのペンによって
グングン広がっていく様子に、も~感服!
お迎えに来たお母さんにも見せたくて、思わず教室に引っ張り込んでパチリ。
いや~彼らのクリエイションには、毎度ワクワク&脱帽です!ヽ(●=゚◇゚=●)丿
こんにちは!「せかい」クラス担当の、はらみづほです。
さてさて、今日はいよいよ、会いたい人に送る手紙の清書を書く日。
今日みんなが書く清書にタイドプールのスタッフと私が心を込めて別添えの手紙を同封し、恐らくたくさんのファンレターが届くであろうお相手たちの目に留まりやすいように、来年の年賀状シーズンが終わった頃に着くタイミングで発送することにしました。
その流れについてみんなに伝えたあと、清書を書く際の心構えをレクチャー。
「みんな、“せいしょ”って、どういう意味かわかる?漢字で書くとどういう字かな?」
辞書で調べると、
「清書」・・・下書きや原稿などを読みやすくするため、きれいに書き直すこと
「正書」・・・漢字の書体の一種で、正式な書体
とのこと。
「正しい書!」と答えてくれた子達もいましたが、今回の「せいしょ」は「清書」。
下書きした書面を読みやすく丁寧に書きあらためる、言わば“本番の書面”です。
「だから姿勢を正し、スッキリ澄み渡る清らかな氣持ちで、相手の人が読みやすいようにクッキリと大きな字で、心を込めて丁寧に書こうね」
一人一人の目を見渡しながらゆっくりハッキリそう伝えると、みんな「はーい!」といい返事。
心なしか室内に澄んだ緊張感とヤル氣が満ちてきたようです。
タイドプールのスタッフさんが用意してくれた便箋は、少し小ぶりで上品さが感じられるものと、大きめのスタンダードタイプの2種類。
「清書」には、消すこともできるえんぴつよりボールペンやフェルトペンがオススメ、と伝えた上で、書く道具も、子ども達が書き慣れているえんぴつを含め数種類用意し、自由に選んでもらいました。
(今これを書きながら、「日本人らしく清書は筆で書く」という選択肢も用意するとよかったかも、と思いました。来年は筆で書くことの意味や特別な力について伝える授業もしてみたいな~。笑)
「下書きと違うことを書いてもいい?」
「いいよ~!」
清書に向き合うことで、下書きのときとは違う言葉が生まれてくるのは自然なこと。
下書きをした安心感に支えられつつ、それを超えた「今ここにある想い」を文字にしていくみんなの姿から真摯なエネルギーをビンビン感じ、私はいつになく静かな教室の中で、胸がいっぱいになりました。
真剣な表情でひたすら黙々と鉛筆を走らせていたMちゃんは、ホンモノの「清書」を目指し、なんと6回も書き直したそう!
そんな彼女の姿を、タイドプールの番犬・ナイトも、“お姫様を守るナイト(騎士)”のように見守っています。
これは、茶封筒を一人一人の絵で彩った「オリジナル封筒」の完成品ですが、できあがったみんなの手紙もこの封筒に負けない、世界に一つだけのすんばらしい作品になりました!
内容をこのブログに共有してもいいかどうか子ども達に確認していないので、今回はここでの公表は控えますが、どの手紙にも、見るからに一字一字丁寧に書かれたことが伝わってくるクッキリとした文字が便箋いっぱいに並んでいてそれぞれに読み応えがあり、一人一人の個性や素直さが伝わってくる、「せかい最高!」の作品だらけ。
私の目と心には、それぞれの子のあふれる想いがかけ流し温泉のように流れ込んできて、涙腺が崩壊寸前!でした。笑
こどもたちが手紙にきちんと盛り込んでくれた、私がこの授業の最初に伝えた<ラブレターに書く内容例>は、こんな感じ。みなさんもラブレターを書くときの参考にしてくださいね!笑
①宛名と、ごあいさつ
②自己紹介
③その人に会いたい理由、手紙を書こうと思った理由
④その人のどんなところが好きなのかや、質問など
⑤その人へのお願い(お返事のリクエストなど)
⑥最後のごあいさつ
⑦今日の日付と名前(手紙の郵送が来年になるので、今回は名前だけにしました)
Rくんのお相手は、さかなくん。
「この本は大切な人の形見なの」と言って見せてくれた『さかなのなみだ』という本には、心に優しくしみてくるさかなくんの幼少時代のお話が、こどもにもわかりやすい素直な言葉で語られていました。
彼が書き上げたさかなくんへの手紙には、ふだんは元氣いっぱいのヤンチャなRくんの「さかなくん愛」が便箋から噴水のようにあふれ出していて、笑わされたり、じわ~んときたり。
同じく、さかなくんに手紙を書いたYくんの文面も、これまた彼の個性と丁寧さが光っていて、「なるほど~!」と思わされたり、「うんうん、そうかそうか~」と思わずうなずいてしまったり。
あぁ~!彼らの想いを、さかなくんもしっかり受け取ってくれますように…!
Fくんのお相手は、ユーチューバーのマイゼンシスターズ(ゼンイチさんとマイキイさん)。
私には未知のユーチューバー用語がたくさん盛り込まれていましたが、「これなぁに?」と尋ねて教わりながら、私も新時代を学習(笑)。
下書きの時は戸惑った様子でなかなか書き進められずにいたFくんですが、「どうやって彼らのことを知ったの?」「最初にこのユーチューブを観たとき、どんな氣持ちになった?」「この人たちのユーチューブは、Fくんにとって他の人とどう違うの?」などの私の質問に答えるうちに、ラブレターのコツをつかんでいったよう。
「ぼくも下書きじゃなくて清書したい」と言って書き始めたら、ちゃんと彼らへのラブを感じるレターに仕上がっていて、「おぉ~!」と安心するやら感動するやら。
そして、書き終えたFくんが私の耳元でささやいた言葉に、私はハッとし、またもやジワ~ンとしたのです。
「ぼくね、手紙書いたの初めてなの。しかも、会ったこともないユーチューバーに手紙を書けるなんて思わなかった」
Fくんの言葉を聞いたYくんも、「ぼくも、ママにはいつも手紙を書いてたけど、まさかさかなくんに手紙を書けると思わなかった」と。
私はあらためて「この授業をやってほんとうによかった!」と思い、彼らの手紙に対して何らかの返信がもらえるように精一杯できることをしようと心に誓いました。
まだ下書きどまりの子も数人いるので、彼らの清書もしっかり仕上げてもらい、みんなの「せかい」が憧れの人々に届くよう、サポートしていきたいと思います!