こんにちは(^^)/「せかい」クラスの月いち講師、はらみづほです。
今月は、「せかいを体で感じてみよう!」の第三弾!テーマは『カンボジア王国』です。
理由は、私が友人を通して、カンボジアの伝統的な木綿布・クロマーを現地の人に手織りしてもらって日本で普及・販売している「クロマニヨン」の森田わかなさんと出会ったから。
「クロマニヨン」のアトリエであり、毎月はじめ5日間オープンするギャラリーカフェ「HOUSE1891」は、なんとタイドプールから歩いて10分ほどの場所にあるとのこと!このご縁を逃す手はありません。
第三水曜日のこのクラスの時間は通常の開店日ではありませんが、わかなさんのご厚意で子どもたちのために特別に開いていただけることになり、ありがたい限り。
お仕事で頻繁にカンボジアに行かれている彼女からどんなお話が聴けるか、私もワクワクしていました。
お出かけ前に、まずはこのクラスの定番、日本式のごあいさつからスタート!
正座して、手をついてから見つめ合い、
「本日も、よろしくお願いいたします!」
出かける前に、地図でカンボジアの場所と大きさ、日本からの距離、国旗のデザインを確認!さ~て、カンボジアはどこにあるかな?ヒントは、“東南アジア”だよ~!
あったあった!みーつけた!
日本からそんなに遠くないね。大きさは北海道くらいかな…?
国旗に描いてある建物は、世界遺産にもなっている『アンコールワット』。
カンボジアの言葉・クメール語で、アンコールは王都、ワットは寺院のこと。この寺院は、12世紀前半にカンボジア王朝の象徴としてスーリヤヴァルマン2世によって建てられたヒンドゥー教最大の寺院で、16世紀後半に仏教寺院に改修されたのだそうです。
アンコールワットはとっても有名だけど、実はこれは「アンコール遺跡群」のほんの一部で、「アンコール遺跡群」というのは、カンボジアの北西にある現在のシェムリアップ州に9世紀から15世紀まであった「クメール王国」の都の跡。
この地域一帯にそんな大昔の建物がたーくさん残されていて、それが今、この国に世界中の人々を惹きつける観光資源になっているのです。
この遺跡の特長と魅力は、
①神の宮殿は岩やレンガを使ってつくり、 人間である王の宮殿は木でつくる…といった具合に建材を使い分けていること。
②そのどちらもの素材にビッシリと、緻密で、神秘的で、美しいレリーフが刻まれていること。
➂遺跡と自然と今の人々の暮らしが時を経て溶け合いながら、ゆったりと調和しているように感じられること。
…などなど。
私もこのアンコール遺跡のいくつかを見た時は遥か昔にタイムトリップしたみたいな感覚になって、なんだか懐かしくてたまらないような、心が自然と静かになってどこまでも際限なく広がっていくような、不思議な心地よさに包まれたことを覚えています。
この国旗の説明文によると、白は仏教を、青は王室の権威を、赤は国民の忠誠心を 表しているのだそう。1933年にこの図柄になるまでに9つもの違う図柄の時代があったようで、国旗の変遷からだけでも、この国の激動ぶりが伺えます。
さーて、ではいよいよ、そんなカンボジアを体で感じに、「HOUSE1891」にレッツゴー!
ちょっと寒いけど、遠足は楽しいね!
みんな元氣いっぱい!外にいるときはなおさら、マスクしなくていいんだよ~!笑
お!途中で見つけたのは…ゆず?かぼす?みかんの赤ちゃん?
看板を見逃しちゃってちょっと迷ったけど、無事ギャラリーに到着!
ゆったりしていてステキなものがいっぱい!なんてオシャレなお店なんでしょう!
こちらが店主の、森田わかなさん。
わかなさんがカンボジアの伝統的なコットン布「クロマー」に出合ったのは、2007年(今から四半世紀前!)のこと。
クロマーを身に着けいろんな用途で自在に使いこなすカンボジアの人々の様子が写る現地の写真を見て「胸を鷲づかみにされるようななんとも言えない感動」を覚え、「現地で見てみたい!」と思って居ても立っても居られなくなり、その3か月後にはカンボジアの地を踏んでいたのだそうです。
この日みんなが触ったり身に付けたりできるように用意しておいてくださったのは、いちばん大きなサイズのクロマー。それより少し小ぶりのものから、首に巻く細いサイズのものまで、いろいろな大きさのクロマーがあるとのこと。
機械織りではなく、すべて機織り機を使った手織りの作品で、機織り機に縦糸をセットするだけでも何時間もかかる、手間と根氣と丁寧さが必要な仕事なのだそう。
素材も、通常のコットンの手織りクロマーはもちろん、カンボジア産オーガニックコットンを手紡ぎした糸で手織りしたものや、草木染めのものまで、カンボジアのいくつかの場所の工房で、それぞれの工房の持ち味を活かしたクロマーを織ってもらっているのだそうです。
(なんと、アンコールワットがあるシェムリアップという町の近くにある工房を運営しているのは、私が世界の旅で仲良くなってしばらく一緒に旅をした友人であることが、今、「クロマニヨン」のHPを読んでいて判明!ミラクルなご縁にビックリです!!!)
「クロマニヨン」のHPには、こんな一節が。
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作る人 届ける人 使う人 笑顔のつながりを大切に
「カンボジア人は基本的に一人一枚は必ずクロマーを持っていて、その布をいろんな使い方でボロボロになるまで大切に使うの。ヨレヨレになったりすり切れたりしてもカンタンにゴミにしたりしないで、雑巾や台ふきんにしたりして最後の最後までムダなく使うんです」とわかなさん。
クロマーを一人一枚持つのが難しい家庭でも、一家に一枚は必ず持っていて、身にまとったり、ものを入れて担いだり、バスタオル代わりにしたり、敷物にしたり…と、くらしのあちこちでいろんなふうに使っているのだそう。
私も世界を旅している時は薄くて軽い大判のコットン布を2~3枚持ち歩き、服代わりにしたりシーツにしたり…と大活用していたので、その便利さはよーくわかります。
カンボジアはフランスにも日本にも占領されていた歴史があり、1990年代の初め(ほんの30年前!)まではポルポト政権というとんでもない独裁政権が支配していて、人口の四分の一にあたる約200万人が虐殺されたと言われる激動の国。
クロマーはそんな壮絶な歴史の中で、いろんな形で庶民たちの命とくらしを支え続けてきた大事な大事な伝統文化の一つでもあると、わかなさんは教えてくれました。
縦糸と横糸が織りなすチェックの模様は、クロマーの代表的なデザインだそう。格子の間隔や太さ、色合いなども自由に調節でき、そこから生まれる風合いの違いも、クロマーならではの魅力のようです。
初めてクロマーに触れたこどもたちは、
「やわらかい…!」
「氣持ちいい!」
「なんだかフワッとしてる…」
…と感想を言いながら、みんな丁寧に感触を味わっていました。
「クロマーを織るのは女性たちの仕事」と話すわかなさんの言葉を聞いて、「なんで女の人が織るの?」と質問したのは、先日から新しくこのクラスの仲間になったHちゃん。お話を聴きながら、聴きとったことを一生懸命メモしていました。
「男の人が機織りしたり服を縫ったりすることが多い国もあるけれど、カンボジアの場合は伝統的に機織りは女の人の仕事になっているみたい。女の人はなかなかお金を稼ぐ手段を持たないから、生きていくための大事な女性の仕事の一つとして、幼いころから機織りを覚える文化が受け継がれてきたのかもしれないね」とわかなさん。
トルコを旅している時、「絨毯工房の働き手に幼い少女が多いのは、細い絹糸を使った緻密な模様の高級絨毯を織れるのは、指先が細くてしなやかな十代の少女だけだから」と聞いたことがあったので、もしかしたらカンボジアでも、似たような理由もあるのかもしれません。
現地の人々の写真を見せながら、クロマーが使われている様子や機織りの様子を丁寧に話してくださるわかなさんの言葉を、みんな真剣なまなざしで聴いていました。
↓クロマーの使い方が書かれたかわいいパンフレットもいただきました。
↓この白いクロマーは、手紡ぎのオーガニックコットンで手織りされた特別な布。
「とっても氣持ちがいいから、ぜひ触ったり、首に巻いたりしてみてね」というわかなさんのお言葉に甘えて、みんなそっと手を伸ばして触ったり、首に巻いたり。
はてさて、どんな氣分かな…?
こっちはまた別の色とデザイン。かっこいいし、あったかそうだね!
これなら、大人になってもおばあちゃんになっても、ずーっとオシャレに使えそうだね!
オシャレなタイドプールのお母さん・メイさんも、ステキな配色のクロマーに目がハート。笑
お似合いですね~!
もっともっとお話を聴きたかったけど、アッというまにタイドプールに戻るタイムリミットが来てしまいましたー!(≧o≦)
またゆっくり伺って、ステキな店内をじっくり見てみたいね!
「HOUSE1891」は、毎月1日~5日まで5時間だけオープンするお店。わかなさんお手製のスペシャルランチもとっても美味しそう!
ぜひご家族で訪ねてみてくださいね!ヽ(^o^)丿♪